熱すぎる熱血講師~養成研修で伝えたい僕の想い~  ペンネーム あめふらしー

今回はとことこニュース55号で掲載した。

あめふらしーさんの重度訪問介護従事者養成研修の熱い思いの原稿です。

ニュースでは、写真などが入ったバージョンで

お楽しみ頂けますが今回はテキスト版です。

ご自身で描かれた再現イラストも見れます。

正規版は とことこニュース55号(PDF)でお楽しみください。

熱すぎる熱血講師~養成研修で伝えたい僕の想い~

ペンネーム あめふらしー

みなさんこんにちはあいえるせんたー逆瀬のあめふらしぃです。
今回は今年度から当法人の新規事業としてスタートした「重度訪問介護従事者養成研修」を僕の体験を交えて、紹介をしたいと思います。みなさんは「重度訪問介護従事者養成研修」という言葉を聞いた事はありますか?「重度訪問介護従事者養成研修」とは障害当事者の日常生活で必要な支援(家事・身体(排泄、入浴等)・移動支援・相談援助など)をしてくれるヘルパーさんになれる資格を取得できる研修です。3日間の講義を受講することで資格を取得できます。当法人は、障害当事者の思いを大切にしたいので、養成研修の講師に障害当事者も入っています。僕はヘルパーさんに関わってもらいながら一人暮らしをしているので、その経験を伝えるために1日目と3日目の講師をしています。



研修の1日目は、自分の障害の事や、生活している中で困っている事など、ヘルパーさんに知って欲しい内容を話しています。話す内容はあいえるせんたーの仲間と一緒に作成しています。僕は、受講生に「利用者さんの気持ちに寄り添いながらどうしたらその人らしい生活ができるのかを一緒に考えてほしい」という事を伝えています。実際に生活の中で、ヘルパーさんから「そんな事いちいち言わなくても分かっているから言わないで」と言われます。例えば、ヘルパーさんが夜に帰るときに、ガスの元栓が閉まっている事や、入浴時間に合わせてお湯が張れている事を確認したときに「やってるにきまってるじゃないですか!!」や「ヘルパーを信じてください!!」と言われたりします。過去にこんなことがありました。


ある日、ヘルパーさんから「いつも使っている道具が見当たりません。」と言われました。僕は「いつもの場所にあると思うので確認してください」と伝えました。20分後にその道具はいつもと違う場所からでてきて大変困りました。そういう出来事があったので、「自分の生活は自分自身で確認していかないといけない。」と言う思いなりました。だから、確認したいだけなのにヘルパーさんにそういう風に言われてしまうと、僕の生活なのに・・・何故?という気持ちになります。「ヘルパーを信じてください!」というのであればミスなんかしないで欲しいです。そういうヘルパーさんほど、ミスをするものなので、怒りの気持ちになります。それ以外にも「意思決定(日々の小さな判断も含む)」をヘルパーさんにせかされることがあります。ある日、買い物をしている時に悩んでいました。その様子を見ていたヘルパーさんから「はよ!決めてください!」とせかされました。その時、僕は「早く決断できない自分が悪いんだ」という気持ちになって悲しくなりました。



なぜ、僕がこんな話をするのかというと、もちろんヘルパーさんは、利用者さんのことを思って支援してくれます。けれども、今回のように悩んでいる利用者をせかしたり、利用者の意見を聞かずに判断するヘルパーさんもいます。それではその人らしい生活を安心して送れません。僕は自分が生活していく中で、起きた失敗やトラブルも含めて「自分の生活」だと思っています。とはいっても、全く情報提供がない状況で「意思決定」をするには、とても時間がかかりますし、なかなかうまく出来ません。なので、ヘルパーさんにはその人が「意思決定」しやすいように「正確でわかりやすい情報提供」をしてほしいと思います。上手に「意思決定の支援」をする事で、よりその人らしい生活ができると思います。

研修の3日目は、移動支援の体験として受講生の方と一緒に電車に乗って買い物と食事に行きます。体験前に普段、外出している時に必要な介助を伝えて、受講生の方と打ち合わせをします。僕の場合は電動車椅子で道を歩いている時に無意識に蛇行して運転してしまうので、適度に声掛けをお願いしたり、電車の切符を買ってもらったり、外出中にトイレ介助の方法や買い物の時に商品を取ってほしいことなどを伝えています。自分の介助を受講生の方に説明するのはとても緊張します。緊張しすぎてパニックになる時も度々あります。




研修の最後に受講生の方から「ヘルパーはやってあげないとっていうイメージでした。でも、利用者さんと一緒にその人らしい生活を作っていくという視点に驚きました!」という感想や「障害当事者の方の思いを知れるいい機会になりました」という言葉を聞くと「ちょっとでも僕の思いが伝わったんだ」とうれしい気持ちになります。講師としてやっていく中で気づかされる事もたくさんあり、普段の生活で介助を頼む時の勉強にもなります。まだまだ未熟な講師ではありますが、失敗を繰り返しながら障害当事者の気持ちを理解してくれるヘルパーを育てられる講師を目指していきたいです。
頑張りますので、皆さん是非受講して下さい。

タイトルとURLをコピーしました