福祉サービス利用者の個人情報について

はじめにお読みください。

この投稿は、ぜぶらの18年の障害当事者の支援経験に基づいて掲載しております。これから障害当事者の支援をはじめる方や支援に迷った方に少しでもお役に立てればと思い投稿しております。できる限り正しい情報を提供したいと考えて作成しておりますが一部ぜぶらの主観に基づいた記載があるとは思いますので参考程度にお読みいただけると幸いです。

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ぜぶらのプロフィール

年 齢 アラフォー

取得資格 介護福祉士、社会福祉士主事、ケアマネージャー、サービス管理責任者 など

サービス利用者の個人情報を守らなければいけない事は、福祉サービス従事者なら誰もが知っている大切な事だと思います。しかし、なかなか守られていない事も現実です。そこで、利用者の個人情報を守るために注意して欲しいいくつかのポイントをまとめてみました。自分は大丈夫と思う方も、これからサービスを提供を始める方も是非読んで欲しい内容です。

個人情報使用同意書について

先ず個人情報を取り扱う事についての同意書が各事業所であると思います。

同意書の主な内容は、

・個人情報取り扱いの目的

・個人情報の提供について

・個人使用期間について     になると思います。

個人情報の取り扱いの目的

・福祉サービス提供のため

・サービスの調整を行うため

・利用者の福祉サービスの向上のため

・事業者の請求事務、事故等の報告のため

・福祉サービスや業務の維持・改善のための基礎資料作成のため

個人情報の提供について

他事業所や相談支援、行政などとのサービスの調整や報告等で個人情報を提供する事があります。

・利用者のサービス担当者会議での連絡や支援の調整

・行政機関、相談支援事業所、他の支援事業所等の関係機関との連絡、支援の調整

・法令に基づく場合

個人使用期間について

契約修了後、5年くらいが目安となっています。

同意書についてのまとめ

意外と同意書の存在も知らない方もいるかと思います。もしまだ見たことがなければ一度確認しても良いかもしれません。個人情報を取り扱う際には、あくまでこの同意書に則った内容でとり扱う必要があります。

福祉サービス利用者への個人情報を守るポイント

サービスを提供する上で、個人情報は必ずと言って良い程しようします。その上で同意書で得た「個人情報使用の目的」に沿った適切な個人情報の使用を心掛ける必要があります。

ここでは、個人情報を記載した基礎資料(アセスメントシート、支援記録、支援計画書等)などの管理は当然事業所で厳重に管理されている事だと思うので省略させて頂きます。

支援者からの個人情報の漏洩

支援者の皆さんは、自分は個人情報の漏洩なんてしてないと思っていませんか?

下記は、過去にサービス利用者からアンケートをさせていただき。支援者から不快に感じた、個人情報を漏洩されたとご意見頂いた物とさの漏洩先の一部です。

支援者が漏洩しがちな個人情報一覧

・昨日食べた晩御飯   ・健康状態(風邪など)   ・本人が写った写真

・今日は何をするのか? ・好きな食べ物 ・欲しい物 ・サービスの利用状況 ・交友関係

・使っているシャンプー ・トイレ、お風呂などの状況 ・介助方法   ・外出先の情報

・最寄り駅 ・よく使うお店 ・疾病や障害などの情報 ・その他個人を特定し得る情報 など

 

これらは、支援者が普通に知りえる個人情報ですが意外と個人情報としての認識が低い情報です。

支援者が漏洩しがちな個人情報の漏洩先一覧

・職員  ・関係機関 ・同じ事業所のヘルパー ・同じ利用者のヘルパー ・お客さん

・来訪者 ・利用者 ・他事業所の職員、ヘルパー ・地域の方 ・ご家族 ・友達 ・SNS

他の支援機関も入っている事に少し違和感があるかと思いますが…下のケースを読んで頂けると理解できると思います。

支援者がやりがちなでトラブルになりやすい個人情報の漏洩のケース

ケース1 支援者より支援者

利用者Aに入っていたヘルパーBが支援後、別の事業所で同じ事業所の利用者AのヘルパーCとたまたま道で出会った。ヘルパーBとヘルパーCは互いに利用者Aに入っている事を知っていたため、利用者Aについての話になった。その際に、利用者Aに対して「一緒に映画に行った事」の話をした。その後、気がつけば利用者Aに対する「愚痴」を二人で話していた。最終的にヘルパーCが利用者Aに対してヘルパーBが利用者Aに対する愚痴を話していたと話した事から個人情報の漏洩が発覚した。

解説 個人情報使用の用途を考える。

このケースについて何故?どこが個人情報の漏洩になっているのか?わかりにくいかもしれませんが…そもそもを考えて欲しいのです。上記の「個人情報の取扱い目的」の何にヘルパーBとヘルパーCの会話入るのでしょうか?当然の事ながら利用者に対する愚痴を別の事業所ヘルパーに話す事も良い事とは言えないかもしれませんが…そこで「利用者のサービスの向上ため」という意図が明確にあった場合は、もしかすると適切な個人情報の使用だったかもしれません。では「映画に行った事」の話はどうでようか?単純な個人情報の漏洩だったかもしれません。

いずれにしても利用者Aは個人情報の漏洩だったのでは?と感じた訳ですから…良い個人情報の使用方法とは言えなかったかもしれません。支援者は、 「個人情報の取扱い目的」に沿って個人情報を使用する必要 があります。

ケース2 支援者より他の利用者(使用先について)

利用者Aに入っているヘルパーCが別の利用者Bにも支援に入っていました。利用者Aと利用者Bは仲が良く。互いの支援方法などの話なども良くしていました。その事知っているヘルパーCは利用者Aの支援の際に利用者Bの支援方法についてアドバイスをしてもらいました。ヘルパーCは利用者Bの支援の際に利用者Aよりアドバイス貰った事を伝え、それを実践し良い支援ができました。はじめは、良かったのですが…後に利用者Aと利用者Bが互いに不信感を持ち始め…個人情報の漏洩が発覚した。

解説 個人情報の提供先を考える。

このケースは、実はよくあるケースです。このケースでは、支援者は「利用者のサービスの向上ため」と言う明確な目的があり、全くの悪気はありません。然しながら何故、個人情報の漏洩になったかと言うと「個人情報の提供」の先にお友達である利用者A、利用者Bが入っていないためです。よく「障害当事者の事は、障害当事者に聞くのが一番」と言われる事はありますが個人情報の提供先が適切でない場合は、当然「個人情報の漏洩」になってしまうので気を付けて頂けると良いかと思います。どうしても相談しかった場合は、本人が特定されない方法で相談する事や事前に相談先として許可を得る事が大切です。

ケース3 支援者より一般の方

利用者Aの外出支援でとヘルパーBが同行していました。その際に、利用者Aの近所に住んでいる一般の方に「今日は、どこにいくんや?」と声をかけられました。二人が仲が良いと知っていたヘルパーBは思わず「今からショッピングモールで服を買いに行きます。」と話ました。何気ない会話をした後、利用者AよりヘルパーBは「なんで買い物行く話したの?これって個人情報やで?」と注意を受け事になりました…ヘルパーBは「買い物に行く事くらい別に良いじゃないですか?」と反論してその後、事業所に報告がり個人情報の漏洩が発覚した。

解説 どこからが個人情報か?考える。

このケースもよくあります。ヘルパーBはこれくらいの情報は個人情報にあたらないだろうと話をしてしまった訳です。しかし、利用者Aからは立派な個人情報であり、伝えて欲しくなかったので今回のケースのようにトラブルになりました。人に話して欲しくない個人情報は人によって異なります。対象者や内容によっても変わると思います。自分の身になって考えてもらえると分かりやすいと思いますし、 個人情報の価値観は人によって異なります 。その事を理解し支援者は、常に利用者の個人情報を取り扱っていると言う認識を支援者はもたないといけないと感じています。


個人情報の使用のポイント

・同意書に沿った個人情報の使用を心掛ける。

・個人情報使用の用途を考える。

・個人情報の提供先や提供方法を考える。

・人によって個人情報の価値観が異なる事を意識する。

まとめ

いかがでしたか?サービス利用者の個人情報の認識が変わってくれればこの記事を書いた意味があったかな?と思います。自分も個人情報の取扱いに関しては注意している部分ではありますが、これらはサービス利用者の不快に感じたエピソードを元に作成しました。個人情報は取扱いは支援者にとって支援の向上につながる武器になる半面で使い方次第では、利用者を傷つけてしまったり、信頼関係を失ってしまう事ににもなりかねないので、上手に取り扱って行く事を意識してもらえればと思います。

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